次亜塩素酸水生成パウダー(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)から安全に除菌水を作成!その作り方と濃度

最近話題になっている除菌水…次亜塩素酸水溶液を自宅で作ってみました。

この記事は、次亜塩素酸水溶液について自分で色々調べた結果、納得した内容と自己責任で次亜塩素酸水溶液を作成した経験について書いていきたいと思います。

なお筆者は学生時代に化学は比較的好きな科目でしたが、全くの素人ですので、あくまで参考に留めて下さい。

次亜塩素酸水とは何なのか

次亜塩素酸水とは、厚生労働省が認めている食品添加物指定の酸性電解水に付けられた名称です。その定義は、「塩酸または食塩水を電解することにより得られる、次亜塩素酸を主成分とする水溶液」となっており、食品添加物として生成(電気分解)する装置とセットで認可されています。食品加工時の消毒などに用いられるもので、強酸性次亜塩素酸水、弱酸性次亜塩素酸水、微酸性次亜塩素酸水の3種類があります。

微酸性次亜塩素酸水については、特定防除資材(特定農薬)としても次亜塩素酸水(塩酸又は塩化カリウム水溶液を電気分解して得られるものに限る)が指定されています。

また、医療機器として強酸性電解水生成装置、軟性内視鏡用洗浄消毒器が薬機法(旧薬事法)で認められており、これらの装置から生成される強酸性電解水(強酸性次亜塩素酸水)が手術時の手洗いや医療機器の消毒などで利用されています。

まとめると、次亜塩素酸水(酸性電解水)は食品加工、農業、医療用途での消毒などで利用が認可されていますが、いずれも指定された電解装置で生成したものに限定されているということですね。

一方、一般市場には除菌・消臭効果を謳う商品が次亜塩素酸水と称して多く出回っています。これらの多くは食品衛生法、農薬取締法、薬機法などで定められたものではないようですが、「次亜塩素酸を主成分とする水溶液」であれば製法にかかわらず効果は期待できると思います。

もちろん食品添加物や特定農薬としては使えませんし、医薬品・医薬部外品でもないので殺菌・消毒の効果は謳えません。(但し「フリーキラS」という微弱酸性次亜塩素酸水は殺菌消毒剤として医薬品に認められているようです)

ここでは一般的に次亜塩素酸を主成分とする水溶液のことを、法律で定められた次亜塩素酸水と区別するため、次亜塩素酸水溶液と表記することにします。

次亜塩素酸水溶液と次亜塩素酸ナトリウムの違い

そもそも次亜塩素酸は「次亜」が頭に付いていることから分かる通り、酸素分子が普通より二つ少ない分子構造なので化学的にとても不安定です。次亜塩素酸の酸化能力が強力な除菌作用につながっています。

次亜塩素酸ナトリウム水溶液(キッチンハイターなど)も次亜塩素酸が含まれるので除菌作用がありますが、強いアルカリ性のため人体に有害です。またアルカリ性により次亜塩素酸が次亜塩素酸イオンに変化し除菌力が落ちるため、ある程度の濃度(有効塩素濃度)が必要になるようです。

それに対して次亜塩素酸を主成分とする弱酸性の水溶液は除菌作用がとても強いので、希釈しても十分な効果があり、人体にやさしい除菌水と言えそうです。

次亜塩素酸水溶液の作り方

本来の次亜塩素酸水は、塩酸または食塩水を電気分解して生成する酸性電解水です。

しかし、溶剤を混合してpHや有効塩素濃度を調整することでも、酸性電解水と同じような除菌効果を持つ水溶液を生成することができると思われます。

例えば、キッチンハイターなどの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に塩酸や炭酸を混合して弱酸性化することで、次亜塩素酸水と同様の除菌効果が期待できるようです。

但しこの方法は、間違えると有毒な塩素ガスが発生する危険があるので、筆者としてはお勧めしません。

より簡単な方法として、顆粒状の薬剤を水に溶かすだけという「次亜塩素酸水の素」のような商品があります。

これはジクロロイソシアヌル酸ナトリウムという固形の化学物質を水に溶かすだけなので、水溶液のpHも弱酸性で比較的安全だし、ジクロロイソシアヌル酸ナトリウムは安定しているので、溶かす前の状態なら長期保存が可能です。

次亜塩素酸水生成パウダー「ジアテクターP」について

ということで、今回筆者は抗菌美装株式会社という会社が製造している次亜塩素酸水生成パウダー「ジアテクターP」を購入しました。

抗菌美装株式会社は長野に本社を置く、温泉施設やビルの衛生管理や清掃事業を扱う会社で、浴場・プール向けの塩素剤やオリジナルの清掃洗剤の製造販売も行っています。

こちらの商品はWebから安全データシート(SDS)を閲覧して成分や注意点などを確認できます。

また、同社のホームページでは他にも新型コロナウイルスに関連した有用な情報を発信していますので参考になりました。

ジアテクターP(ジクロロイソシアヌル酸ナトリウム)による次亜塩素酸水溶液の生成

ジアテクターPの内容物は、薬剤のジクロロイソシアヌル酸ナトリウム顆粒60gが入った小袋2つと説明シート、それに2gと0.5gの計量スプーンも付属していました。次亜塩素酸水溶液の生成については薬剤を水に溶かすだけなので難しいことは何もありません。

ジアテクターPの内容物の写真

但し薬剤自体は酸化性物質で飲み込むと有害であり、皮膚や眼への刺激もあるので、低濃度に希釈してしまえば安全性が高いものの、生成時は慎重に取り扱う必要があります。従って一応手袋、マスク、メガネを着用して手と目鼻口を保護し、何かあってもすぐに水で洗い流せるように流し場で作業するようにしています。

用意したのは水で良くすすいだ2リットルと500ミリリットルのペットポトル、それにスプレーボトルです。

薬剤の有効塩素は60%ということなので、2リットルのペットボトルに水道水を満たし、薬剤0.5g(付属の小さじ1杯)を入れてよく混ぜると、有効塩素濃度150ppmの次亜塩素酸水溶液ができます。

500mg x 0.6 / 2L = 150mg/L = 150ppm
2Lペットボトルの写真

除菌用としてはこのまま使用しても良いと思いますが、筆者は少し塩素臭が強いように感じました。

ジアテクターPの次亜塩素酸水の作り方シート

なので更に別の500ミリリットルのペットボトルに移して3倍に希釈し、遮光性のあるスプレーボトルに詰めて使うことにしました。最終的な有効塩素濃度は50ppmということになりますが、これでも十分な除菌力があるはずなので、これを玄関においてジャンジャン使いたいと思います。もちろん、人体への使用は自己責任でお願いします。

注意
経済産業省/NITEの検証では100ppm以上が推奨されています。(追記参照)
スプレーボトルの写真

なお次亜塩素酸はとても不安定で、常温でも自然分解しますが、熱や紫外線で分解が促進されます。

従って生成した次亜塩素酸水をペットボトルで保存する場合は、アルミホイルを巻くなどして遮光し冷暗所で保するのが望ましいと思います。ただそれでも早めに使い切るようにした方がいいでしょう。

アルミホイルで遮光したペットボトルの写真

次亜塩素酸水溶液の有効塩素濃度を測ってみました

通販で次亜塩素酸試験紙を購入したので、作った次亜塩素酸水溶液の濃度を測ってみました。

高濃度用の試験紙を買ったので、測れるのは25ppm~500ppmの範囲です。

次亜塩素酸試験紙の写真1

試験紙を溶液に1~2秒浸してから水を切り、10秒後に標準色と比べて一番近い色の数値が測定値になります。

次亜塩素酸試験紙の写真2

結果、150ppmと思って作った水溶液の濃度は200ppmから500ppmの間という結果になりました。

次亜塩素酸試験紙の結果写真1

また、3倍希釈した溶液は100ppm位となりました。

次亜塩素酸試験紙の結果写真2

薬剤を秤で測らず、小さじ1杯を0.5gとして作成したので、今回は薬剤が少し多めだったのかも知れません。

ですが、しっかり塩素濃度があることを確認できたのでちょっと安心しました。

まとめ

新型コロナ禍で消毒用のエチルアルコールが薬局から消えてもう3ヵ月位経ちますが、一向に在庫が復活する気配がありません。

筆者は以前から消毒用にアルコールスプレーを持ち歩いていて食事前には必ず手を消毒していたのですが、このところ薬局で消毒用アルコールや無水アルコールが手に入らず、そろそろ我が家の在庫も切れそうです。

新型コロナウイルスが蔓延し始めた現在、外から帰ってきたら玄関で服や持ち物を消毒したいのですが、今や貴重なアルコールでの消毒は無理な状況です。ちなみに靴底も危険なので玄関で消毒したいのです

厚生労働省では、消毒用アルコールがない場合は、次亜塩素酸ナトリウム(キッチンハイターなど)を薄めた液を使うことを勧めていますが、薄めたとしても人体への影響があるので必ず水で拭き取らないといけないし、スプレーで噴霧する使い方は避けるべきでしょう。

そこで、人体への影響が少なく、より安全な除菌水として少し前から話題になっている次亜塩素酸水溶液の利用を考えたというわけです。

今回購入した次亜塩素酸生成パウダー「ジアテクターP」は120g入りだったので、2リットルのペットボトル240本分、これを3倍希釈して使うとすると、薬剤の使用期限(2022年3月)までにはとても使いきれそうもありません。

というか、その前に新型コロナ禍が収まり、大量の除菌水が無駄になってしまうことを切に願うわけですが…


(追記)2020年5月24日
現在、経済産業省の要請に基づいてNITE(独立行政法人 製品評価技術基盤機構)が新型コロナウイルスの消毒方法の有効性評価を実施していますが、5月22日に中間発表が報告され、その中で、次亜塩素酸水(電解法以外で生成したもの)を検証試験の対象に追加することを公表しました。これまでは電解法で生成した次亜塩素酸水のみを検証試験の対象としていたのですが、市場の実態を踏まえ拡大したとのこと。更に「有効塩素濃度と溶液の pH が同等であれば消毒効果は同等と考えられることから、他の製法で生成されたものの効果も同等とみなす」とされました。

参考 経産省が新型コロナに有効な界面活性剤を公表!次亜塩素酸水は検証対象を追加へsora's 早起きノート

(追記)2020年6月27日
経済産業省/NITEによる有効性評価の最終結果が公表され、一定濃度以上の次亜塩素酸水が消毒に有効とされました。この記事で紹介しているジクメメイソシアヌル酸ナトリウムについては、100ppm以上の濃度が推奨されています。

参考 新型コロナウイルスに有効な界面活性剤及び次亜塩素酸水を公表します(最終回)経済産業省

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